熊本の水の話

坪井川周辺ほか、熊本の水源を散歩します

熊本の水源を歩く

次々と干上がっていく水源地。その変遷を歩きます

坪井川を流れる白い泡が消えた話

 熊本北部浄化センターの下水処理水に起因する白い泡が、坪井川をプカプカ漂いだして、すでに10年以上が経過した。ひょっとしたら20年以上かも…

 

が、それが突然消えた。

 

 高平のスバル自動車(3号線沿い)の裏あたりに、先週末あたりか、いつの間にかネット様のものが設置されており、そこに流れてくる泡が引っかかって下流に流れないようになっていたのだ。

 しかも今週水曜(20日)になると、ネットから上流側の泡も消えていた。

 少なくとも10年以上、坪井川を漂い続けていた泡が、水サミットが目前になったら、突然消滅したのだ。

 

普通驚くと思うのだが…

あまり話題にはなっていないな…

しかし、いったい何が起こったのだろう…

 

わからないことは知っていそうな人に聞いてみよう!

ということで、坪井川を管理している熊本北土木管理事務所に電話してみた。

 

私「坪井川を流れていた泡が消滅しているのですが…ご存じですか?」

 

担当者「ああ、高平橋のところの水路でしょう。あれは市の水保全課と調査に行ったのですが、結局、原因はわからなかったのです」

 

私「高平橋?」

 

担当者「そう、スバル自動車裏の」

 

…場所は合っているものの、なんだか微妙に話が食い違っているような…

 

私「ネットが張ってありますよね」

 

担当者「オレンジ色の、ですね。あれは水質汚濁防止フェンスです。坪井川底を掘削する工事をしているので、そのためです。」

 

私「高平橋付近で掘削しているような様子はありませんでしたが…」

 

担当者「事情で遅れていて、来週あたりからの予定です」

 

そう言われて、パッと脳裏に映った光景があった。

 

私「昨日、熊本北部浄化センター横を通りかかった時、坪井川で掘削工事をしていたのを見ました。工事は高平橋ではなくて北部浄化センターのあたりでやっているのではないのですか」

 

担当者「下流が高平橋のあたりで、上流はそのあたりかと思います」

 

続けて、なぜ掘削するのか問うと、川底に泥が溜まっているからそれを浚渫するのだという。

 

北部浄化センター………と泥。

 

思い出した新聞記事があった。

熊本北部浄化センター(熊本北部流域下水道)の汚泥を大津町に不法投棄した事件

 

 熊本北部浄化センターは下水道処理水を現在では1日10万トンほども坪井川に放出している。

その中には汚泥が混じっているのではないだろうか?

 それが長い間に(事件は30年近く前だ)川底に積もっているのでは?

 

 問題は、その汚泥(や処理水)に、問題のある物質が混じっているのではないかということだが…

 

 坪井川のモニタリングは、熊本北部浄化センターより上流か、あるいはすでに下流域に入った西区の上代橋でしかなされておらず、北部浄化センターの処理水や汚泥に対する監視はなされていない。(という話だ)

 

 しかし、このことについて問い詰めても、明快な答えが得られないことはわかっている。(すでに何度も尋ねたので)

 

 とりあえず、坪井川の泡の件に話を戻そう。

 担当者と会話を続けていくと、どうも「坪井川に泡が流れている!」という通報は度々あるらしい。

 担当者としては、急に言われると、どの件か混乱するのかもしれない。

 

 私が聞いているのは、新聞記事にもなったこの件です↓

www.nishinippon.co.jp

 

と、重ねて尋ねてみると、

泡が消滅していた件について担当者は「知らなかった」と言った。

 

 ちなみに、市の水保全課にも電話してみたのだが、こちらも「知らない」と言う。

坪井川に興味がない?」と問うと、

「そういうわけではない」と苦笑いしていたが…。

 

 ちなみに、坪井川の白い泡については、以前、山室に住む隈部氏が研究していて、「熊本北部浄化センターの処理水の放出が1日3万4000tを超えたあたりから発泡が始まった」と結論していた。

 

 ひょっとすると、今だけ坪井川に水量を足して、処理水の濃度を下げているのかもしれないと思うのだが…