柳水湧水公園(菊陽町)
熊本市内から国道57号線を阿蘇方面へ、セミコンテクノパークの看板を目印に県道30号へ折れると、やがて柳水の湧水の看板が見える。小規模ながらちゃんとした駐車場も整備してあり、以前からこの道を通るたびに気になっていた。
いささか古びた看板が気になるものの、車を駐車して、コンクリートで護岸された小川の堤を看板の指示通り歩いていく。ほどなく柳水湧水公園という立派な看板が見えた。しかし、水は見えない。湧水池らしい場所は一面の枯草だ。立派な木道が整備されているものの、その下にわずかな水たまりが見える程度である。
隣家の主婦が、ちょうど畑作業に出てこられたので聞いてみる。
「私が20年ほど前にお嫁に来た時にはもう水はもうなかったわね。ずっとこんな感じですよ」
「熊本の湧泉研究会」が出している『水は伝える 熊本の湧泉』(2004年刊)によれば、もともと湧水の「伝説」はあったものの、この辺は水の少ない地域で、熊本空港建設の見返りとしてボーリングされたものの由。
しかし、ほどなく水は涸れ、伝説と看板だけが残った。